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モルモットとは?野生の原種から生態、寿命、身体的特徴まで詳しく解説

「モルモット」と聞くと、多くの人が『モルモット=実験動物』というイメージを持っているかもしれませんが、実際に家族として迎えてみると、小さくて可愛らしい動物を思い浮かべるでしょう。しかし、その生態や歴史、身体のしくみについては意外と知られていないことも多いのではないでしょうか。この記事では、モルモットがどのような動物なのか、その基本情報から詳しく解説していきます。

目次

生物分類と野生の原種

モルモットは、デグーやチンチラ、ハムスターと同じ「げっ歯目」に属し、テンジクネズミ科テンジクネズミ属の動物です。現在ペットとして愛されているモルモットの祖先は、南米の草原や森林、岩場などに生息していた野生のテンジクネズミだと考えられています。この野生種が、古代インディオによって家畜化され、現在のモルモットになったと言われています。

原産地と生態環境

モルモットの故郷は南米大陸で、主にペルー南部、チリ北部、アルゼンチン北部、ボリビア南部の山岳地帯に生息していました。野生の原種は基本的に夜行性で、低い木や草の生えた土地に巣穴を掘り、5~10頭程度の群れを形成して生活していたと言われています。この群れの中では、コミュニケーションをとりながら社会的な生活を営み、順位(優位性)を決めるための小さな喧嘩も見られました。

寿命・体格・身体的特徴

モルモットの身体には、他の動物にはないユニークな特徴がたくさんあります。

寿命

モルモットの平均寿命は約6~8年と、ウサギやハムスターといった他の小動物に比べて長寿な傾向にあります。近年の飼育環境や専用フードの向上により、中には10年以上生きるご長寿モルモットもいます。

体格(大きさ・体重)

体長は約20~40cm、体重はオスが900~1200g、メスが700~900g程度が一般的です。全体的に頭が大きく、首が太く、胴長でずんぐりとした体型が特徴です。足は非常に短く、立っていてもお腹が地面につきそうに見えます。ちなみに指の本数は前に4本、後ろに3本です。足が短く跳躍が苦手なため、30cm程度の高さの壁を乗り越えることはほとんどできません。

身体のしくみと生理

  • : うさぎと同じく、生涯伸び続ける「常生歯」です。常に何かを齧ることで、歯の長さを適切に保っています。
  • ビタミンC: 人間と同じように、体内でビタミンCを生成することができません。そのため食事から摂取する必要があります。また、臆病な性格のためストレスを感じやすく、病気の時や環境の変化などでストレスがかかるとビタミンCの消費量が増えるため、普段から十分な摂取を心がけることが大切です。
  • 体温調節: 汗をかかないため、主に排尿によって体温を下げます。暑い時期には水をたくさん飲み、尿の量が増えるのはこのためです。
  • 食糞: うさぎと同様に、一度では吸収しきれなかった栄養素を再摂取するため、自分のフン(盲腸便)を食べる習性があります。これは健康維持のための正常な行動です。モルモットの盲腸は腸全体の半分近くを占めるほど大きく、ここで繊維質が腸内細菌によってゆっくりと消化されるため、このような栄養補給の仕組みが発達したと言われています。
  • 身体的な基本情報(平均値)
    • 心拍数: 150~400 回/分
    • 呼吸数: 90~150 回/分
    • 体温: 38~40℃
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