慌てたときほど、連絡先・短いメモ・病院の指示が助けになります。
まず、ここだけ押さえよう
- 食欲や便の変化は、決まった時間を待たず連絡する。
- メモや写真をそろえるために、連絡・出発を遅らせない。
- 薬と補助給餌は、この子への指示を紙に残す。
「いつもと違う」に気づいたら、まず電話
息が苦しそう、口を開けて呼吸する、ぐったりする、けいれんや大きな出血があるときは、すぐ動物病院へ連絡します。食べなくなった、食べる量や便が減った、腹部が張るときも、時間がたつのを待たず相談してください。病院が閉まっていたら、モルモットを受け入れる救急先を探します。
「何時間なら待てる」「何項目悪くなったら連絡する」という共通の線引きは、このページでは設けません。症状・年齢・病歴で対応は変わります。子どもは病名を考えるより、大人へ知らせることを優先してください。
電話では、この順番で
- 「モルモットです。今、食べない/息が苦しそうです」と最初に伝える。
- いつからか、最後に食べた時刻、便・尿、年齢と分かる範囲の体重を伝える。
- 診察可能か、今すぐ向かうべきか、移動中の注意を聞く。
「モルモットの相談です。今朝から牧草を食べる量が減り、便も小さくなりました。2歳で、昨日は950gでした。これから診てもらえますか?」
分からない項目は「分かりません」で大丈夫です。すべての記録がそろうまで電話を待つ必要はありません。
見逃したくない、具体的な変化
| 見る場所 | 病院へ伝えること |
|---|---|
| 食事・お腹・排泄 | 好きなものだけ食べる、便が細い・少ない・軟らかい・水っぽい、お腹がふくらむ、血のような尿、排尿時に痛そうに鳴く。 |
| 口と動き | よだれで口元や前足が濡れる、食べこぼす、うずくまる、歯を鳴らす、歩きづらい。 |
| 頭・目・鼻 | 首が傾く、同じ方向へ回る、片側の涙・目やに、目を閉じたまま、くしゃみ・鼻水、普段と違う呼吸。 |
| 体重・皮膚・足裏 | 体重が減り続ける、毛が乱れる、フケ・脱毛・かさぶた、足裏の赤み・腫れ・傷。 |
この表の症状は病名の答えではありません。「片側の涙だから歯の病気」「食欲があるから急がなくてよい」と決めず、同時に起きている変化も伝えます。息苦しさやぐったりした様子は、表を全部確認する前に電話してください。
持っていくメモと道具

| 項目 | 書くこと・用意するもの |
|---|---|
| 変化の経過 | 始まった時刻、食べ方・便・尿・呼吸・歩き方。撮れた写真や短い動画。 |
| 普段の情報 | 年齢・性別・体重の記録、牧草とペレットの銘柄、野菜、同居の有無。 |
| 治療の情報 | これまでの病気、使用中の薬・サプリメントの名前と表示写真。 |
| 持ち物 | 安全なキャリー、診察券、支払い手段。便や尿は採り方・保存方法を病院に確認。 |
床材に染みた尿や古い便は、検査に使えないこともあります。採取のためにお腹を押したり、体を無理に触ったりしません。
1枚のメモに足しておきたい項目
- 水:ボトルの減り方は普段より多いか少ないか。水漏れやノズルの詰まりも分かれば記載。
- 最近変えたこと:新しい食べ物・床材・洗剤、ケージの移動、同居相手、留守の時間。
- 実際の環境:温湿度計の値、測った場所と時刻。エアコンの設定温度だけを書かない。
- 同居の子:食欲や便にも同じ変化があるか。
記入例:「今朝から水の減りが少ない。昨日ペレットを変更。8時のケージ付近は23℃・湿度55%」。これは説明用の例で、推奨温湿度ではありません。診察券、加入していれば保険の情報、支払い手段も用意します。便・尿の写真は役立つことがありますが、実物を持参する場合は検査に合う容器・採取時刻・保存方法を病院へ聞きます。
移動は、静かに・滑らず・蒸れず
キャリーには清潔で滑りにくい敷物を入れ、逃げ出さないことと換気を確認します。普段の牧草を用意し、水の与え方は移動時間と体調に合わせて病院へ聞きます。直射日光、車内放置、強い風を避け、保温・保冷器具を体へ直接当てません。
体調の悪い子を温めればよいと決めつけることもできません。息苦しさや暑さがある場合を含め、温度管理は電話で確認します。同居の相手を一緒に連れていくかも、感染の心配や互いの落ち着き方を伝えたうえで病院に聞いてください。
診察前に、自己判断で食事を抜かないでください。特別な指示を受けた場合は、理由・期間・水の扱いを確認します。
出発前と、移動中の点検
- キャリーの扉・留め具・通気口と、滑りにくい敷物を点検。中に動いて体へぶつかる重い物を入れない。
- 目隠しの布や隠れ場所を使うなら、通気を塞がず、つぶれたり体が挟まったりしないものを選ぶ。
- 給水器を取り付ける場合は、漏れと水の出方を確認し、敷物が濡れていないか途中でも見る。食べ物は薬の代わりにはならない。
- 車では転倒・滑り・飛び出しを防ぐ位置と固定方法を確認し、静かに運転。駐車した車へ置き去りにしない。
- 電車・バス・タクシー等は、動物持ち込みの規約・料金・容器の条件を事前に確認。運ぶ大人と病院までの経路を家族で決める。
首が傾く・転がる子は、搬送中の支え方も病院へ電話で聞きます。首を無理に固定したり、タオルで鼻や口を塞いだりしません。付き添いの相手を連れていくかは、感染の可能性と互いの落ち着き方を伝えて相談します。
診察は、どんな順番で進む?
- 問診:家での変化、食事、病歴をメモで伝えます。重い状態なら、検査の説明より先に酸素などの対応が必要な場合もあります。
- 全身の確認:体重、呼吸・心音、お腹、皮膚、足、見える歯など、その子に必要な確認をします。
- 追加の検査:口の奥の診察、レントゲン、超音波、血液・尿・便の検査などから、症状に合うものを選びます。すべての子がすべての検査をするわけではありません。
- 処置と今後の計画:必要な治療、自宅での世話、再診・連絡の目安を確認します。
体を支える「保定」は医療スタッフに任せ、家族が何を手伝えばよいか聞いてください。検査の目的・麻酔・回復期の意味は、診察と検査の背景を知る補足ページでも読めます。
診察で確かめたい4つのこと
- 今分かっていること:どの病気が考えられ、何を検査するのか。
- 治療:薬や処置の目的、起こりうる変化、費用の見込み。
- 家での世話:食事・水・環境・触ってよい範囲。
- 次の連絡:再診日、改善の見方、夜間に悪化した場合の連絡先。
「難しい言葉なので、家で何をするかに置き換えて教えてください」と頼んで構いません。分かった内容を自分の言葉で言い直すと、聞き違いに気づきやすくなります。
帰宅後は、指示を家族で共有する
静かで清潔な場所を整え、いつもの食事と水を利用できるようにします。休ませる間も、離れた場所から呼吸・食べ方・便を確認します。「帰宅後は数時間見ない」という扱いにはしません。
薬の指示カード
| 薬の名前/目的 | ______ |
|---|---|
| 1回量・単位/時刻 | ______ |
| 飲ませ方・食べ物に混ぜてよいか | ______ |
| 飲めなかった・こぼした場合 | ______ |
| 副作用の疑い/連絡先 | ______ |
量の単位をよく確認し、大人が担当します。飲めた量が不明なときに、勝手にもう一回分を足しません。他の動物や人の薬、残っていた薬を使わず、困った時は処方した病院へ連絡します。
補助給餌は、診察と実演のあとで
自分で食べられない子を支える食事を「補助給餌」と呼びます。食べない原因によっては、家庭で無理に入れると危険です。必要性、使用するフードと濃度、1回量・回数、姿勢、中止する変化を病院で確認し、実際に教わってください。共通のml数や、子どもが再現する注入手順は示しません。
むせる、鼻から液が出る、息苦しくなる、ぐったりするなどがあれば中止してすぐ連絡します。改善しない、食べない、便が出ないなどの変化も、次の予約日を待たず伝えます。
回復を見るための、家族の引き継ぎ
- 自分から牧草へ口を伸ばした時刻と、実際にかんで飲み込めた様子。
- 便の数・大きさ・形の変化、尿の色・回数、水の減り方。
- 投薬の時刻と、飲めたか・こぼしたか・量が不明か。薬のあとに食欲低下や下痢が出たか。
- 休んでいる時の呼吸、うずくまり、歯ぎしり、歩き方。
- 病院に指定された時刻・方法での体重と、その日の食事計画。
自分で食べ始めたことは嬉しい変化ですが、それだけで薬や補助食を中止しません。牧草・ペレット・野菜をどのように戻すかも診察時の計画に従います。学校や仕事で担当が変わる時は、このメモを次の大人へ渡します。
観察メモは、短く続ける

日付・時刻/自分で食べたもの/便・尿/呼吸と動き/体重/薬を与えた状況を書きます。異変が1つでもあれば病院へ相談でき、複数そろう必要はありません。健診の間隔は年齢・体調に合わせて相談します。
筆者が大切にしている備え
私が大切にしたいのは、元気なうちから相談できる先生を見つけ、家族が最初の変化に気づける備えです。この考えを、昼間の病院と夜間・休日の連絡先を共有する仕組みにしています。病院選びの確認表も使ってください。
この記事の参考資料と確認範囲
- Merck Veterinary Manual|日常ケア
必要時の洗浄、被毛・爪のケア、健康診断 - PDSA|モルモットの健康
普段との変化、緊急の呼吸異常、歯と被毛の観察 - Merck Veterinary Manual|モルモットの健康問題
歯・消化器・呼吸器・繁殖の病気と獣医師への相談 - Merck Veterinary Manual|モルモットの臨床手技
2026年7月更新の獣医師向け資料。鎮静・麻酔・画像検査と薬剤選択の背景。家庭への薬量・手技・絶食時間の転用はしない。
資料確認・編集:2026年10月6日。公開資料をもとに整理しています。獣医師等による個別監修は受けていません。

