長年連れ添ったモルモットも、4歳頃から少しずつ体に変化が現れる「シニア期」に入ります。若い頃のように活発ではなくなり、食事や環境にもより一層の配慮が必要になってきます。この記事では、シニア期のモルモットに見られる変化と、彼らが穏やかで快適な老後を過ごすために、飼い主ができるサポート方法について解説します。
目次
シニア期の始まりと見られる変化
- 年齢の目安: 個体差はありますが、4歳頃から老年期と捉えましょう。
- 身体的な変化: 動きがゆっくりになる、寝ている時間が増える、視力や筋力が低下する、毛ヅヤが悪くなる、寒暖差に弱くなるなどが見られます。
シニア期のケアのポイント
1. 環境管理の見直し
- 温湿度管理を最優先: 体温調整能力が低下するため、急な温度変化は体に大きな負担をかけます。エアコンやペットヒーターを活用し、一年を通して快適な温湿度(温度18~24℃、湿度40~60%)を厳密に保ちましょう。
- レイアウトの低段差化(バリアフリー): 関節や筋力の衰えに配慮し、高い位置にあるステップやハウスは取り外すか、スロープを設置するなどして段差をなくしましょう。足が引っかかる危険があるスノコは撤去し、床材を柔らかく厚めに敷いてあげるのが理想です。
- 急な環境変化を避ける: ケージの配置や食事内容を急に変えることは、シニア期には大きなストレスになります。変更する際は、少しずつゆっくりと行いましょう。
2. 食事の工夫
- 咀嚼しやすい食事: 歯が弱くなったり、噛む力が落ちてきたりします。食べやすいように、ペレットをぬるま湯でふやかしたり、柔らかい葉物野菜を中心に与えたりする工夫が必要です。
- 食事内容: 低カロリーで繊維質の多いチモシーを主食とし、肥満を防ぎます。ビタミンCは免疫力をサポートするため、少し多めに補給してあげると良いでしょう。
- 強制給餌: 噛むことができなくなった場合は、粉末フード(ライフケアなど)をぬるま湯で練り、シリンジで与える「強制給餌」が必要になります。
3. 定期的な健康診断
シニア期は、皮膚疾患や歯のトラブル、尿路結石、腫瘍など、様々な病気のリスクが高まります。半年に1回を目安に動物病院で健康診断を受け、病気の早期発見に努めましょう。
4. 介護者のメンタルケア
モルモットの老化に向き合うことは、飼い主にとっても精神的な負担がかかることがあります。介護が大変な時は一人で抱え込まず、家族に相談したり、動物病院に助言を求めたりしましょう。飼い主が心身ともに健康であることが、最良の介護に繋がります。
