原種からモルモットへ
故郷は南米で主にペルー南部、チリ北部、アルゼンチン北部、ボリビア南部の山岳地帯に生息していました。
モルモットの原種
原種はげっ歯目テンジクネズミ科の説がありますがまだ特定できておりません。
基本的には夜行性で、山岳地帯の高地で低い木や草のはえた土地に掘った巣穴の中や谷間などで5~10匹の群れをなし生活していたと言われています。
当時は体が小さく頭が大きい、鼻はとがっており目も耳も大きく、可愛いとは言い難い姿です。
原種を改良してペットへ
古代インディオが家畜用に改良し飼っていたのが現在のモルモットになったと言われています。英語ではguinea pig、モルモット好きの間ではではCavyとも呼ばれています。
当時は南米のアンデス地方で「クイ」呼ばれ祝い事の時の食肉用または、愛玩用として飼われていました。(現在ではペルーなどで日常的に食べられています) モルモットは性格がおとなしく他の家畜に比べ飼育が容易であり繁殖力が強く成長も早いため飼われていたとされます。
ヨーロッパを経由して世界へ
1530年代にスペイン人が南米に到達してたときはインカ帝国で食肉用として飼われていたそうです。
その後1500年代にオランダ人もしくはスペイン人によりヨーロッパへ持ち込まれた説、1600年代にドイツ兵によりヨーロッパへ普及した説などがありますが特定できておりません。
1770年代にはアメリカを始め世界へペットして広まりました。
日本への渡来
オランダから長崎へ
日本には1843年(天保14年)の江戸時代にオランダ人から長崎へ渡来したとされています。
明治、大正には愛玩用として普及し、昭和の初期には品種も増えました。
ペットではなく実験用として普及
日本では愛玩用と実験用として広まり、結核の研究目的にモルモットが実験動物として使われました。モルモットは体内でビタミンCを生成できないため薬物に対して敏感なことや繁殖力が強いことから実験動物として適していたとされます。
当時は結核への関心が高かったこともあり、モルモットは実験動物として知られるようになりました。このことから現在では実験台の対処をモルモットと比喩して呼ぶことが浸透しているようです。
今でもマイナーな存在
現在の日本での小動物のペットはウサギやハムスターやフェレットが多く、モルモットはまだ少ないようです。海外ではモルモットは人気があるペットで多くの人が飼っています。