巣箱の必要性
モルモットの原種は山岳地帯の高地での土地に掘った巣穴の中や谷間などで生活をしていました。
その習性と臆病な性格のため身を隠せる巣箱(小屋、ハウス、シェルターなどとも言う)を用意しましょう。
性質の項目でも記載しましたが、モルモットはおとなしく臆病で、警戒心が強く穴の中や物陰に隠れて過ごす習性がいまでも残っています。捕食される動物故に隠れ家が必要です。
巣箱は隠れて安心できる
環境に対しては神経質で、人の気配や足音、物音がすると敏感に反応します。周囲の家具の移動や部屋の模様替えなどの変化にも敏感に反応して警戒してしまい、場合によっては餌を食べず水も飲まなくなり体調を崩して病気になったり下痢になることもあります。
なので、外から見られずに暗くて囲まれて身を隠して安心できる場所(小屋)として巣箱が必要です。
モルモットの身を守るために
多頭飼いの場合も巣箱があることによって逃げ場として入ったり遊んだり上手に利用しています。
もう一つ、冬の寒い時期に寒さを和らげるという役割もあります。
ストレスの発散として囓る対象にもなりますので、これは次の項で記載します。
巣箱の種類
モルモット用の巣箱は希
ペットショップやホームセンターなどに行くとモルモット用の巣箱や小屋が扱っていないと思われます。実店舗で販売しているお店は希ではないでしょうか。そこで、多くの方はウサギ用の巣箱や他の小動物用の小屋を代用するか、もしくは手作しているようです。
海外ではケージごと手作りして、ロフトをモル達の場所に確保したり、部屋の中に大きなケージと巣箱と遊び場を兼ねたような小屋を作ったり工夫をこらしています。
多くはケージを用意して、その中に巣箱を設置するのが良いかと思います。
巣箱の形状
モルモットは捕食される動物なので、上から接近する物に非常に警戒します。従って、まずは屋根がついていて天井を被う形状が良いです。
トンネル型の巣箱
天井を被う形状種類の巣箱としては木の棒を並べてトンネル状にした製品を店頭で見かけます。 これは底がないので排泄物が巣箱に付きにくく通気性が良く衛生的です。
おもしろいことに、いくつかのモル達を観察したらトンネル状の小屋はモルが中に入ったまま頭で小屋を動かして、いわゆるヤドカリのように横着に移動する事が分かりました。
エサを食べるときはエサ入れの場所までズルズル引きずって移動して、牧草を食べるときは再びズルズル引きずって小屋の中に入ったまま移動します。疲れたらそのまま寝てしまいます。
壺のような奥がふさがった巣箱
出入り口が1つで壺を横にしたような形状の小屋があります。これはトンネル状と異なり奥が塞がっていて足下まで囲まれているので、モル達は落ち着いて寝たり寒さをしのいだりと活用しています。
その反面、排泄物やエサなどが溜まりやすいので衛生面で清潔にするようにしましょう。
余談ですが、この壺型の巣箱は、モルを抱っこするときにモルが嫌がって出ないことがあります。抱っこしてしまえば喜んで甘えてくるのですが、出すときだけは嫌がって踏ん張るので出しにくいと添えておきたいと思います。
出入り口が複数ある巣箱
出入り口が複数ある巣箱は購入するか手作りで用意できます。いずれの場合も天井もしくは屋根を付けてください。
この種類の巣箱はトンネル型と壺状の両方の特徴を持っています。モルは隠れ家として使うほかに遊び場としても喜んで利用します。
巣箱の素材と工夫
巣箱の素材
素材は木材、プラスチック、ダンボールなどの紙、わらを編んだもの、その他タオル等の布を利用などがあります。 どの素材が適しているかは飼い主さんの環境やモルによって様々です。
いずれの素材でも注意したいのは、モルは巣箱を囓るので、モルにとって有害となる成分を含んでいない素材を選ぶということです。 たとえば、木製の巣箱であれば釘や接着剤、防腐剤、防虫剤などを使っていないのが良いです。
他の素材も同様にモルが囓っても怪我をしないで、食べても無害な素材を選びましょう。
巣箱は消耗品
先ほど少し触れましたが、モルは巣箱を囓ります。
ストレスの発散ののために囓る、歯が伸びて痒いから囓る、囓るのが楽しいから遊びとして囓る、いろいろありますが、とにかく囓ってボロボロになります。
巣箱は消耗品だと考えていただきたいと思います。
設置場所や使い方の工夫としては、モルモットは地上で生活しているので巣箱も床の上、つまり低い位置に設置するのが望ましいです。
底にボロ布や新聞紙などをひいて、排泄物や汚れを布ごと交換すると手間が減って清潔を保つことが出来ます。