モルモットの品種
モルモットの品種とバリーエーションは、毛の長さと毛質およびつむじによる分類、毛色で分けるカラーバリエーションでの分類があります。
さらに、毛の色は単色(セルフ)と複数色(ノンセルフ)に分けられます。複数色の色は国内では主に3色であり、まれに4色の個体を見ます。 これら品種とカラーバリエーションを組み合わせることで100種類を超えるモルモットの分類ができます。
イングリッシュ
イングリッシュモルモットは一般的に普及しており最もポピュラーな種類のモルモットです。ショートモルモットとも呼ばれます。初めてモルモットを飼う方に選ばれることが多く一番最初のモルモットとして多くの方に飼われています。 イギリスで300年以上かけて改良された短毛種です。頭からおしりまでなめらかに同じ幅であり、ずんぐりした丸い体型が特徴的です。
被毛はなめらかで短く(3~4cm)直毛です。毛色には様々な色があり、カラーバリエーションが豊富です。毛質にはノーマルタイプとサテンタイプがあります。サテンモルモットはイングリッシュモルモットの被毛を美しく艶やかに改良したバリエーションで、被毛には光沢がありつやが見えるのが特徴です。今後もさらに新しい品種が生まれていく可能性があります。
ちなみに、日本国内のペットショップでは短毛種であるが故に、「ショートモルモット」という名前で売られているのをよく見かけます。アメリカでは「アメリカンモルモット」と呼ばれているようです。
クレステッド
クレステッドモルモットは頭頂部にだけロゼットと呼ばれるつむじがあり、その部分の被毛が逆立っています。その部分が冠毛(クレスト)になっていることからこの名前で呼ばれます。
頭のつむじの毛は少し長めに伸びていますが、それ以外の体の毛は直毛で短くなっています。また、クレステッドモルモットは改良されてできた品種であり、イングリッシュモルモットに似ています。
体色とクレステッドの色によりさらに種類があり、イングリッシュクレステッドとアメリカンクレステッドに分けられます。 イングリッシュクレステッド基本的には体と同色のクレステッドがあります。 アメリカンクレステッドは体と異なる毛色のクレステッドがあり、通常はクレステッドは白色となっています。体は白くなく茶系の色が多いです。このクレステッドが白色のためホワイトクレステッドと呼ぶことがあります。
アビシニアン
アビシニアンモルモットはアビー(Aby)とも呼ばれイングリッシュモルモットやクレステッドモルモットに比べて被毛は直毛で荒く堅くて毛の長さは短毛種と長毛種の中間くらい(4~5cm)です。
巻毛モルモットと呼ばれることがあるように、全身に複数の渦巻き状のつむじが(10個以上)あり毛が巻き毛のようであることから巻毛モルモットよ呼ばれることがあります。この複数のつむじはバラのように見えるため「ロゼット」と呼ばれることもあります。 古くから飼育されていましたがイギリスで1861年に認定されました。
つむじが多数ある、逆立つ毛並みが多く左右対称であるとショーでの評価や観照的価値が高いといわれています。
体全体につむじがある為、寝癖のように無造作に毛が伸びているのが特徴です。グルーミングは定期的にブラッシングをするといいでしょう。
シェルティ
シェルティーモルモットは直毛で美しい長い毛が特徴です。すべての毛が体にそって流れておりつむじはありません。
シェルティーモルモットは1973年にイギリスでベルビアンモルモットと区別して独立した品種として認められました。イギリスではシェルティー(sheltie)と呼び、アメリカではシルキーと呼ばれています。
特徴はその長くて美しい毛にあります。白・黒・茶の配色と長い毛には品と高級感があります。頭部の毛はあまり伸びず、脇腹の被毛が長く伸びます。毛質は柔からかくて滑らかで艶があり、手触りもよいののです。
グルーミングは脇腹のあたりの毛が長いため定期的に手入れをして、おしりのあたりは汚れやすいので短めにカットします。定期的なブラッシングも欠かせません。
スキニーギニアピッグ
ヘアレス(Hair less)とも呼ばれ、体に毛がないモルモットです。見た目は小さな豚に似ています。 鼻先と足にわずかに縮毛があるタイプと、全身が無毛で毛がないタイプがあります。
1978年、モントリオールのInstitut Armand Frappier(IAF)で発見されました。その後は系統が維持されています。発見当時は突然変異のミュータントとして系統が維持され、先天的に免疫に対する欠陥のある無胸腺であったり、先天的に色素がないアルビノでしたが、現在は肌の色は肌色・ネズミ色・黒の3色になり、免疫もあるため通常の飼育方法で健康的に飼育することができます。
毛がないため、触ると暖かく、喘息などの病気の家族がいる家庭でも飼いやすいことから人気があります。また、体毛がなくまるで小型のミニブタのような容姿が非常に可愛らしく抱き心地の良さからもペットとして人気があます。スキニーモルモット自身は、皮膚病にかかりやすく、寒さに弱い点があります。もちろんブラッシングの必要はありません。
日本のペットとしては鼻先と足にわずかに縮毛があるタイプの雄が多く流通しています。ちなみに。ヨーロッパやアメリカではあまり見たことがありません。また、実験動物用としては雄と雌の両方が販売されています。
ペルビアン
ペルビアンモルモットは毛が長く毛質が柔らかく光沢がありシルクのように美しいのが特徴です。 フランスでペット用として品種改良を行い1886年頃にフランスのパリで登場しました。 以前は「アンゴラモルモット」と呼ばれたこともありました。
被毛は頭部と背中側が長く伸び、脇腹の毛はそれより短くなります。比較的ストレートなタイプの子と、巻き毛タイプの子がいます。 長い毛は10dm以上になり、個体によっては30cmになるとも言われています。 この長さになると杖を付けたらまるでモップではないかと思います。
長い毛であるため手入れは欠かせません。毛が絡まないように毎日のブラッシングが必要です。定期的なカットも必要です。 また、モップのようであると言うことは、ゴミがよく付きます。 このように手入れが大変なので、上級者向けの品種です。
テクセル
日本では「テッセル」とも呼びます。カールした長い毛(縮れ毛)が特徴です。 1980年代にイギリスでオスのレックスとメスのシェルティの交配によって作成されました。
テクセルの毛は、ティディの毛を長くしたようなイメージで、癖のある長い毛がカールしています。毛質は柔らかで、フワフワに見えます。 頭部の毛は短く、脇腹の毛が長く伸びています。
お手入れは、長い毛が縮れているため絡って毛玉になりやすいので、定期的にブラッシングします。また、モルモット全般は短足なので縮れ毛のテクセルはおなかに床材の牧草やチップがたくさん絡みます。目が細かいブラシで根気よくブラッシングしましょう。