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モルモットの飼育方法-交尾と妊娠期間の世話の仕方

目次

発情のサイン  

オスの発情のサイン

オスモルは発情するとメスのお尻の臭いを嗅ぎ特有の鳴き声でグルルル~グルルル~と鳴き、お尻を振ります。その後メスの後ろから覆い被さる様にのり、背中とお尻を沈めて交尾を始めます。

メスの発情のサイン

メスは発情期に入ると生殖器が膨らみ、膣弁が開いて交尾の受け入れが可能な状態になります。オスが背中に乗るか、背中に手を乗せると、背中を弓なりに反らす仕草をします。これはロードシス反応(lordosis反応)と呼ばれている行動です。

交尾の時  

オスとメスが発情して交尾をすると、オスはメスの背中に乗り喘音を発しながら腰を振り射精します。この時にメスがキュッと鳴く場合があります。

交尾が終わった後は、メスの膣にストッパーもしくは膣栓と呼ばれる凝固栓ができて膣をふさぎます。これはオスの精液と分泌物が固まりできた物です。

これはメスが発情期になり開いた膣弁をふさぐ役目をしています。通常は数時間から48時間くらいを目安に膣からとれて落ちるので、後に飼い主さんが凝固栓を見つけて交尾を確認することもできます。膣栓が落ちた後は膣弁が閉じて分娩期に入るまでは閉じたままとなります。

妊娠期の過ごし方  

交尾が終わった後

交尾が終わった後は、オスをメスから離して別のケージに入れましょう。交尾が終わった後もオスがずっとメスに接触したり追いかけるのはメスにとってストレスになりますので。

モルモットの妊娠期間

モルモットは一度に平均2頭~6頭の仔を授かります。妊娠期間は他の動物と比べて長い方であり、胎児の数により異なりおおよそ59日~72日です。胎児が少ないと妊娠期間は長くなり、胎児の数が多いと短くなる傾向があります。

胎児の数が少ないと、分娩までに大きくなりすぎて難産になる可能性が高くなり、胎児の数が多いと産まれた新生仔が小さくて弱い傾向にあります。一般的には3頭が理想だと言われています。

複数回の妊娠に注意

※モルモットは最初の受精をした後の妊娠期間中に次の発情期を迎え、この時に交尾をすると再度受精と妊娠が成立する事があります。この場合は複数回に受精した胎児を同時に宿す事が可能で、それぞれを出産する事ができます。
モルモットには子宮角が2つあり、それぞれ別々の妊娠サイクルが進行して、分娩もそれぞれ行われます。

このような事がありうるので、交尾の後は分娩するまでの期間をオスとメスで分けることが望ましいといえます。

妊娠中の栄養

妊娠中は一日に必要なビタミンCの量が通常の2倍に増えて20~30mgが必要となります。新鮮なペレットであればビタミンCが含まれているので、ペレットに加えて青菜を与えれば必要な量は満たされます。(ビタミンCは時間の経過とともに減ります)<

ペレットが新鮮でない場合や冬で青菜が少ない場合は、ビタミンCの量が不足して、ビタミンC欠乏症のリスクがあります。この場合はビタミンCの錠剤を破砕して飲み水に加えるか、シロップなどで補う必要があります。

の他にカルシウムなども多めに必要となります。妊娠期はモルが嫌がらなければ牧草はアルファルファを与えるといいでしょう。

肥満に注意

※妊娠中は胎児にも栄養を送るので普段よりも多くの量が必要です。しかし、必要以上に過剰にはエサを与えないでください。妊娠中の肥満は妊娠中毒のリスクがあります。

妊娠したら獣医の診察を受けて、定期的に診てもらい、健康状態や生活に関するアドバイスと、必要に応じて処置をしてもらうことをお勧めします。

参考まで、小松菜は鉄分を多く含み且つ陣痛促進の作用があり、キイチゴは安産になると言われ、妊娠期のモルに適している食べ物の一つです。

妊娠した後のメス

妊娠をすると体重が増えて、多いときは普段の体重の2倍になることもあります。つまり、単に太っただけではないので体重測定を定期的に続けると本当に妊娠したのか判断ができます。

また、妊娠中にメスのお腹を触るとコリコリした少し堅めの感触があるので胎児がいることが分かる場合があります。柔らかい感触のメスもいます。
おおよそ妊娠42日頃から胎動が始まり、50日頃にはメスのお腹を触ると胎児の動きが感じられる事もあります。

妊娠中の運動

妊娠中のメスは普段と変わりなく遊んで運動をさせてかまいません。

むしろ、妊娠中のメスは広いスペースで積極的に運動をさせることが妊娠中毒の予防となります。

あえてエサや水を離れた場所に置いて運動をさせる事もあります。これは、多数のモルを飼育している園での飼育士さんの経験上、運動をすることにより安産の傾向になると言われています。

妊娠中の注意

※妊娠中はモルを触ったり体重測定や胎児を確認することは、最小限にしてそっとしておいてください。また、掃除やエサなどのお世話も簡素にするか短時間でモルにストレスを与えないようにしましょう。

※特に、妊娠後期のモルはストレスに敏感になり、ストレスから食欲不振や肥満などになり妊娠中毒を誘発する恐れがあります。なので、妊娠後期はモルにとってストレスになる要因をできるだけ排除してください。

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